同じ日本でも、東と西では「恋愛の進め方」も「結婚の決め手」も少しずつ違うようです。
性格や金銭感覚、家族との距離感など、どれも暮らしのベースになる価値観ですが意外と地域の文化がそのまま表れたりもするのかもしれません。
今回は、関東人と関西人の結婚観のズレを読み解きながら、その違いやギャップの楽しみ方まで見ていきます。
目次
関東人と関西人では「恋愛の温度」が違う?
関東人と関西人は、恋愛の始まり方から温度が違う傾向です。
いわば「静かな恋」と「にぎやかな恋」。この違いは、結婚を意識するスピードや決断の仕方にも影響しています。
関東:静かに距離を詰める観察型(理性型)
関東人は、恋愛において「慎重さ」が強み。最初から一気に距離を詰めず、一定の間を取りながら相手を観察します。
「ちゃんとした人か」「将来を任せられるか」といった現実的な視点を重視しやすいため、告白や交際のステップも控えめ。
また、スマートで礼儀正しいやり取りを大切にする人が多いようです。
関西:ノリと相性で動くスピード型(感情型)
関西人は感情の表現が豊かで、好きになればすぐに行動しやすいです。
テンポやノリの良い会話、リアクションの大きさ、笑いのセンスは他県と比べても抜群。恋愛でも「この人と一緒にいて楽しい」と思えば、早い段階で「結婚してもやっていける!」と判断する人が多いようです。
「経済力」vs「人間力」!結婚条件の差は?
結婚の話になると、避けて通れないのがお金の話。関東と関西では、このお金の捉え方に微妙な違いが見られます。
auじぶん銀行が実施した調査によると、関東と関西それぞれで『結婚相手に求める条件』の1位が入れ替わる結果になりました。
気になるランキングは以下のような結果に。
【関東エリアの結婚相手に求める条件TOP3】
1位 優しさ・誠実さ
2位 経済力・収入
3位 金銭感覚
【関西エリアの結婚相手に求める条件TOP3】
1位 経済力・収入
2位 優しさ・誠実さ
3位 金銭感覚
上記で示したように、関東では「優しさ・誠実さ(58.8%)」がトップなのに対し、関西では「経済力・収入(62.8%)」が1位でした。
つまり、関東は「人柄重視」、関西は「生活力重視」という傾向にあるといえるでしょう。
関東:心の安定こそが結婚の判断材料
関東では、「堅実さ」や「安心感」の伝わるような人柄が結婚の大きな決め手になります。
生活コストの高さや首都圏ならではの忙しさ・競争感を考えると、将来を見据えた経済設計や柔軟性を重視するのは自然な流れでしょう。
- 職業や年収の安定&信頼性
- 貯蓄・資産の有無
- 生活リズムや家計管理への意識
上記のような項目を重視し、具体的かつ現実的に「安心して暮らせる相手か」もしくは「何があっても安心できる人か」を判断しています。
関西:「人として頼れるか」をどう測るか
関西では、関東人よりも結婚相手に「経済力・収入」を重視する人が多いという調査結果がありました。
しかし、これは単に「お金を持っているか」という意味ではありません。
関西の人々にとっての「経済力」とは、働く姿勢や生活力、そして頼もしさを含んだ総合的な「人間力」のことを意味している場合がほとんどです。
稼ぐ力だけでなくやりくりの上手さも含めて、「この人となら生活が回る」と思える相手を選ぶ傾向が強いでしょう。
「家族ぐるみ」or「夫婦中心」?家族観の違いも面白い!
関東と関西では、結婚後の「家族との関わり方」にも小さな文化差があります。恋愛観やお金の価値観と同じく、暮らしのベースに地域性がにじむのです。
関東では、結婚後に次のような考え方を持つ人が多くいます。
- 夫婦で協力して生活を回す
- 親との距離感はほどほどに
- 家計も二人でしっかり管理
特にお金に関しては、「夫婦単位での管理」を重視しています。
共働きの場合は家計アプリや共有口座を使い、計画的に貯めたり支出をルール化したりなど、仕組みで安定を保つタイプが目立つでしょう。
そして実家との関係も一定の距離を保ちつつ、節度ある付き合いを心がける人が多いようです。
関西は家族主義
夫婦の間のルールを最優先する関東に対し、関西ではどちらかというと「家族全体で生きる」という感覚が強く残っているようです。
親や兄弟と頻繁に連絡を取り、冠婚葬祭や行事では家族総出も珍しくなく、「家族ぐるみ」で物事を進めるのが自然なスタイルです。
また、お金に対しても「気持ちよく出す」文化があるのだとか。
- 冠婚葬祭やプレゼントには惜しまず使う
- 「誰かが得するならええやん」と考える
- 必要な出費は「人とのつながりの証」と捉える
この「人情と金銭感覚の融合」が、関西の温かさの根っこ。お金を使うことを「損」と思わず、関係を回す潤滑油として受け入れる柔軟さがあります。
結婚後の暮らしにも、そんな地域らしさが表れているのではないでしょうか。
お財布の中にも文化の差?東西で変わる金銭感覚!
恋愛や結婚の入り口だけでなく、以下で紹介するように実際に結婚してからの「お金の使い方」についても東西で傾向が分かれます。
関東:貯蓄重視の堅実派
関東人は、将来を見据えて計画的にお金を貯めるタイプが多いです。
家計簿アプリの活用や、定期預金・積立NISAなどの投資を行う人も多く、“守りの家計管理”が得意。
「無駄な支出を減らし、安定を守る」という考え方が根づいています。
関西:メリハリ消費の実利派
関西人は節約上手でありながら、「ここぞ」という場面では惜しみません。
冠婚葬祭やプレゼントなど人付き合いの出費には寛容で、「値打ちのある使い方」を大事にします。
つまり、締めるところは締め、使うときは気持ちよく使う。この“メリハリ金銭感覚”が、関西流の家計哲学といえるでしょう。
文化が違うからこそ、見えてくる“夫婦のかたち”
地域が違えば、価値観も違う。でも「幸せの形」は人それぞれです。
関東人と関西人では、恋愛の温度・お金の価値観・家族との距離感まで微妙に異なることがわかりました。しかし、決してどちらかが正しいという話ではありません。
結婚の判断材料で大切なのは、相手の育った環境を理解し、歩み寄る姿勢を持てるかどうか。お互いの価値観の違いを「面倒」と感じるのか「面白い」と感じるのかで、幸福度は大きく変わるでしょう。
地域差を「個性」として受け止められたとき、夫婦の絆はぐっと深まるはずです。





