毒親育ちとは?毒親の特徴や毒親にならないための対処法について解説

毒親とは?

毒親とは?

毒親とは、子供の人生を自分の思い通りに支配しようとする親のことで、「毒になる親」の略称です。毒親にはさまざまなパターンが存在しますが、どのケースも共通して正常な親子関係は成立していません。偏った愛情を受けて育児をされてきた子供は、小さいほど他の親や家庭との比較が難しく、恵まれた環境ではないことに気が付かないケースも多いでしょう。虐待やネグレクトは即効性があるため子供の変化を周囲に気が付いてもらいやすい傾向がありますが、心理的強要や人格否定は周囲が気付きにくく徐々に心が支配されていってしまいます。

子供の意見に対して否定的である

毒親には、子供が自分の意見と違ったり言うことを聞かなかったりすることを嫌う特徴があります。自分の理想や価値観を子供に強要し、子供のやりたいことや意見を否定します。物事を思い通りにするために、「どうせあなたには無理だから」「あなたが後悔しないように教えてあげているの」などと言い、「あなたの考え方は間違っている」と子供に思わせるような言動を繰り返すケースもあります。意見を尊重してもらえない子供は、自尊心や判断力、自立心が欠如してしまいます。

過干渉で思い通りにいかないと暴力的になる

毒親には、過干渉な特徴があります。子供のすることは全て把握しておきたいので、自分の知らないことがあるとヒステリックに怒ったり、自分の思い通りにしても子供が失敗したときには、「恥ずかしい思いをさせないで」と暴力を振るったりするケースがあります。また、「子供は自分の言うことを聞いて当たり前」と思っているので、子供が自立する年になっても人間としての自由を奪い続けます。「こんなこともできないの?」「親を裏切るのね」「親を傷付ける薄情者」などと、自分の怒りを発散するために責め立てる傾向があります。

子供の成長に無関心である

子供の成長に無関心な毒親もいます。子供の健康や成長に興味がなく、子供がお腹が減っていても十分な食事を与えないケースでは成長曲線を大きく下回る子供もいます。子供が体の不調を訴えたり発熱しても、「早く治してあげたい」という気持ちが湧かず、面倒くささが上回るため病院にかかったり薬を飲ませたりせずに放置しがちです。また、あからさまに無視したり放任したりはしていなくても、借金があったり、父親または母親が浮気をしていたりと家族関係がこじれていると子供にまで手が回らず無関心に拍車がかかるケースも多いでしょう。

生活環境や所有物が不衛生でも気にしない

毒親は、子供にとって劣悪な環境で育児をする特徴もあります。部屋が汚い、何日も同じ服を着せる、常に散らかっているなどが挙げられるでしょう。子供がいる部屋でもお構いなしにタバコを吸ったり、ゴミを捨てなかったりするケースもあります。子供が片付けようとしても、頼んでいないことを勝手にやろうとすることが許せないので理不尽に怒ることも多いです。気分で動く毒親は、そのときの自分さえ良ければ良いため不衛生であることを問題視しない傾向があるでしょう。

依存症であり感情の起伏が激しい

親が精神病や障害を患っていて感情のコントロールが難しい場合もありますが、健常者であってもアルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症の親は、自分の感情の起伏が激しく、イライラしたり落ち込んだりした気持ちをそのまま子供に八つ当たりするケースが多いです。親の顔色や心身の調子を常にうかがったり、気分に振り回されたりしながら過ごすのは、子供の安心・安全を奪い、自尊心を欠如させてしまう深刻な問題といえるでしょう。

毒親育ちな人の特徴

毒親育ちな人の特徴

子供の頃から心理的に支配され、自分の考えを尊重されたり認められたりする経験が希薄な毒親育ちな人は、大人になっても良好な人間関係を築く方法が分からず「生きづらさ」を感じる人も多いでしょう。人格形成時期に卑劣な育児環境にあり、子供らしい感情が育まれなかったために、自分に自信を持てない傾向があります。過去、または今でも継続している親子関係のトラウマは、性格的な特徴として社会に出ても表れます。

自信がなく依存しがち

親に認められずに生きてきた毒親育ちの人は、自己肯定感が低い特徴があります。自分のことを卑下して、新しいことに挑戦する意欲や前向きな感情が湧きにくい傾向があるでしょう。また、自尊心も欠如しやすいため、自分以外の物や誰かに頼らないと生きていけない思考が強くなっています。心のより所として、アルコール・ギャンブル・男性女性問わず異性との恋愛などに依存しやすい傾向があります。

期待に応えられるように頑張りすぎてしまう

毒親育ちの人は、親が喜ばせなければ怒られたり無視されたりするような環境で育ってきているので、常に周囲の顔色をうかがって嫌われることを恐れる特徴があります。期待に応えようとして無理のある仕事を引き受けたり、恋人に予算以上のプレゼントを用意したりなど、自分で自分の首をしめるような行動をすることが多いでしょう。

頼まれごとを断れず自分で物事を決められない

毒親育ちは、自分の意思で物事を決める経験ができなかった人が多いので、判断を委ねられても自分で決めることが難しい特徴があります。社会に出て仕事をするようになっても、指示があるまで動けなかったり、マニュアル外のことはできなかったりするでしょう。積極性よりも、「余計なことをしたら怒られる」という気持ちのほうが強い傾向があります。

自分も毒親にならないための対処法

自分も毒親にならないための対処法

毒親育ちな人は、子供を育てる重い責任に耐えきれず、自分がされてきた育児を我が子にしてしまいやすい傾向があります。しかし誰でも、子育ての悩みに直面したり、子供に尽くす日々の中で「ひとりになりたい」と漠然と感じたりすることはあるでしょう。たとえ自分の両親が毒親タイプの特徴に該当しなくても、毒親・毒母になってしまう可能性はあるので毒親にならないためにできる対処法を押さえておく必要があります。

子供の人格を尊重する

子供の考え方や存在自体を認めて尊重してあげないと、興味があることへの探究心や意欲が湧かず主体性が欠如してしまいます。また、「どうせ自分なんか…」と自信の無さにもつながるでしょう。子供に、物事の決定権やある程度の自由を与えられているか育児を振り返ってみてください。我が子ではあるけれど一人の人間であることを忘れずに、人格を尊重しましょう。

思い通りにならなくても感情的にならない

子育てをしていれば、時にイライラしてしまうこともありますが、親の感情をそのまま子供にぶつけるのはいけません。怒られたという事実だけが残ると、子供はなぜだめだったのか考えられず同じことをしてしまいます。また、自分と違う考えを抱くのは親子であっても他人なので当然のことです。感情的に叱るのは命を粗末にしたり人に危害を加えたりしたときだけで問題ないので、その他で感情的にはならないようにしましょう。

子供に対して過保護にならない

子供に対して過保護になりすぎるのは、子供の選択肢を狭めて成長のきっかけや可能性を奪っているのと変わりありません。子供のやることに口出ししすぎず、子供自身が決めたことを応援してあげましょう。自分が決めたことで失敗すれば、「次はこうしてみよう」と自発的に反省点を考えたり、くじけない気持ちを得られたりします。親は、子供側から頼ってくるまでは見守り、どうしても難しいときは、正解への過程を一緒に考えたり導いたりすることが、子供の主体性の育ちにつながります。

子供は自分の所有物ではない!毒親育ちの特徴を理解して反面教師にしよう

子供は自分の所有物ではない!毒親育ちの特徴を理解して反面教師にしよう

毒親育ちな人は、毒親から受けた異常な子育てに悪影響を及ぼされている可能性があります。親子でも他人同士であることを忘れず、子供の人生を支配しないようにしましょう。卑劣な環境で育ったり愛情を受けたことがなかったりすれば、自分に幸せな家庭が築けるのか不安に思うかもしれません。人を信じられず正しい子育てが分からなくても、子供の純粋な親を慕う気持ちが、親である自分の存在意義を見いださせてくれることもあります。今回解説した毒親の特徴と自分の子育てを照らし合わせて、反面教師にできる強い気持ちを持ちましょう。

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