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人間関係におけるマウンティングとは?
動物が馬のりになるなどして、自分の強さを主張する行動をマウンティングといいます。これを人間同士の対人関係でも使うようになり、相手に対して自分の優位性を主張する行為をマウンティングというようになりました。ネットが普及し、自分を表現できる場が増えたこともあり、対人関係におけるマウンティングの認知度も高まっているようです。ちなみに英語では「マウンティング」ではなく、「見下す」の意味がある「condescending」が使われることが多いようです。
マウントをとる人の特徴や行動とは?
学生時代なら成績や部活、社会人ならお金やステータスでマウントをとる人が多いようです。マウンティングは、趣味の仲間や彼氏彼女の関係性でも起こります。相手を下げる発言を繰り返し、ダメ人間だと思い込ませて、自分の思い通りの関係性を築こうとします。例えば、音楽やバンドの知識などで優位に立とうとしたり、自分のすごさをアピールして上下関係をつくろうとしたりします。マウンティングを回避するためにも、どのような行動がマウンティングなのか知っておきましょう。
自慢話で優位性を主張してくる
マウンティングの場合は、相対的評価を軸に自慢話をする傾向にあります。自分軸で過去の自分と今の自分を比べるのではなく、周りの友人や、世間一般の平均よりも自分が秀でていると主張してきます。また、自分ではなく自分の知り合いのすごさを主張してくる人もいます。本当にその人を褒めたいのではなく、「そんなすごい人とつながっている私」を主張したいのです。
人の話を自分の自虐や苦労話などで奪っていく
優位性を示すベクトルは、褒められたい人だけに向くとは限りません。悩みを打ち明ける友人に、自分の悩みの方が深刻だと主張するのもマウンティングの一つです。周りがその人を慰める雰囲気であろうと、自分の方が苦労している、大変だと主張し周りの意識を自分に向けようとします。マウントをとる人には、不幸度で優位に立ちたい人もいるのです。
マウントをとる心理や意味とは?
マウントをとる行動には、どのような本音が隠されているのでしょうか?その人の性格や人柄というよりも、自分に対する満足度が大きく関係しているようです。中には、自分の本音に気づかず無意識にマウントをとっている人もいます。相手より優位に立とうとする行動や言動が無意識でも故意でも、マウントをとる心理に迫ります。
劣等感を拭いたい
マウンティングには、劣等感が隠れていることがあります。例えば、自分にないものを持っている人に、その人よりも優れている部分を主張して劣等感を拭おうとします。自分の弱い部分や欠点が受け入れられず、そこから目をそらすためにマウントをとるようです。人を見下していたり、自分の力を過信していたりする人はこうした心理に陥りやすいでしょう。
承認欲求を満たし自己肯定感を上げたい
自分に自信がない人が、自己肯定感を上げるためにマウントをとることもあります。他者から褒められたり、心配されたりすると承認欲求が満たされます。自分は周りから気にかけてもらえて、価値がある人間だと思い、自己肯定感を上げたいのでしょう。このような人は、自分自身の人間性より、自分のステータスや人からどう見られているのかに重きをおいているようです。
マウントをとる人と距離をとる方法とは?
マウントをとる人とは縁を切れれば楽ですが、多くの人はそう簡単にはできないでしょう。学生でも社会人でも、生活していくうえでまったく人と関わらないことは難しいです。特に女性はグループで付き合うことも多く、女友達との関係性を整理するのは容易ではありません。しかし、マウントをとる人との付き合いがストレスなのも事実です。ここではうまく距離をとる方法を紹介します。
相手が求める返答をしない
マウントをとる人は、相手から欲しい言葉をもらわなければ心が満たされません。不快な自慢話を褒めたり、大げさな不幸話を心配したりすると相手の思うつぼです。相手のペースに巻き込まれないよう、相づち程度に留めて話題を変えてみましょう。「この人にマウントをとっても意味がない」と気づかせれば、マウンティングの頻度は減るはずです。
誘いを断る
マウントをとる人からの誘いを断ることができれば、必然的にマウントをとられる機会が減ります。しかし、学生時代からの付き合いや仕事関係の人が相手なら、断りづらいのが現実です。できるだけ正当な理由を付けて断れればよいですが、なかなか断りづらい人は一対一ではなく何人かで集まるようにしましょう。人が多いとマウントがとりにくかったり、話題が分散しやすかったりします。
マウントをとる人が失うもの
マウントをとる人は相手の反応で満足感を得ますが、反対に失うものはあるのでしょうか?自分が優位に立とうとする行動や言動は、人に不快感を与えます。マウントをとる人の満足感は、聞いてくれる人の我慢のうえに成り立っているともいえるでしょう。人の優しさに甘えて自分ばかりが得をするマウンティングは、満足感よりも大切なものを失っているのかもしれません。
人の気持ちに寄り添う心
マウントをとる人は、相手にないものや欲しがっているものを自慢したり、自分の方が辛いとアピールをしたりします。相手の気持ちを考えれば言えないようなことも、平気で発言します。自分の言動で相手がどう思うかまで考えが及ばないか、相手が不快に思うと分かったうえでマウントをとっているのでしょう。こうした行為を繰り返していると、人の気持ちに寄り添うことのできない人になっていきます。
人として成長するチャンス
劣等感から目を背けるためのマウントは、自分の成長のチャンスを逃すことにつながります。人は、劣等感から自分を変えたいと思い、行動することで成長していきます。マウンティングで優位に立ち、相手より秀でているところを主張して安心感を得ても、劣等感の原因はなくなりません。自分にあるものばかりに目を向け、足りないものから目を背けていては、成長のチャンスを逃してしまいます。
小さな幸せに気づく心の豊かさ
マウントをとる人の多くは、固定概念が強かったりプライドが高かったりするようです。自分が思う「幸せな人の条件」が細かく決まっていると、ちょっとしたことで自分は不幸だと感じます。そして、自分よりも不幸な人を探して安心するためにマウントをとります。人の粗を探すことばかりに夢中になっていると、小さな幸せに気づける心の豊かさを失っていくでしょう。
マウントをとる人とうまく付き合って自分の心を守ろう
相手を下げて自分が優位に立ち、優越感に浸ることがマウントをとる人の目的です。マウントをとる人は、相手の気持ちよりも自分の欲求を優先しています。マウントをとる人と真面目に付き合っていては、自分の心が疲弊します。いつも話題を自分に持ってきて自慢話をする人や、SNSで過剰な幸せアピールをする人とは適度な距離感で付き合いましょう。自分の心を守れるのは自分自身です。