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人徳とはどういうことですか?と聞かれたら
人徳という言葉を聞いたことがあっても、正確な意味が分かる人は少ないかもしれません。「あの人は人徳があるよね」とはどのような意味なのでしょうか。「人徳がある」は、褒めるときに使われますが詳しく解説していきましょう。
その人が持つ徳を意味する
人徳は「じんとく」と読み、人の徳を表します。徳は、社会通念上でよいとされる人間が持つ能力や気質をいい、価値のある性質のことを指します。また正義や善、正義に従える人格的な能力という意味もあります。徳が高い人とは、人格的に優れている、人間ができているなどの意味になります。徳はその人が持っている性質を表す言葉で、悪い意味ではなくよい意味のときに使われます。
性格だけではなく言葉や行動、品格も
人徳は、性格のいい人や人間性のことをいうのだけではなく、その人の持つ品格や言葉使い、行動なども含まれます。上品な感じや知的な印象など、作られたものではなくその人に本来備わっている素質に関して使われるのが人徳です。人徳の使い方は「あの人は人徳者だから良縁に恵まれるんだね」や「いいメンバーが集まったのは彼の人徳」などです。誰かに人徳があると言われるのは最高のほめ言葉といってもよいでしょう。
人徳がある人の特徴とは
人徳がある人とは、実際にどのようなタイプをいうのか具体的に見ていきましょう。自分自身のことばかりを気にするのではなく常に相手を気遣う性格の人や、周囲の友人や知人以外の人にも配慮できるような誰からも好かれる人が人徳者といえそうです。一緒にいて心が穏やかで楽しく清々しい気持ちにさせてくれる人は、自然と自分も笑顔になりますよね。
誰に対しても同じ態度で接する
誰に対しても同じ態度で接する人は、人徳がある人といえます。接する相手によって態度を変えたり話すことが違ったりする人は、どれが本心なのか分からず心を許そうとは思えません。友人関係ではない人にも気配りができる、職場での派閥や上下関係などに関係なくさまざまな人と協力して仕事ができる人などは、裏表がなく信頼が置けるので本音で接したいと思えるでしょう。
リーダーシップや責任感があるなど人望が厚い
リーダーシップのある人や責任感がある人などは、人望が厚いため人徳があります。たとえば、組織のトップの人がリーダーシップがあり部下を励ましながら自らも仕事に積極的に取り組む人ならば、チームワークが取れてそれぞれが最大のパフォーマンスを発揮できるでしょう。また、部下がミスをしたときに責めずに自らが責任を取る人なども、誠実な人柄が伝わり多くの人から慕われるでしょう。
周りに対して思いやりややさしさがある
周囲の人に対して思いやりややさしさが持てる人も人徳者です。多くの人は自分の身に起こったことや自分がどんな状態でいるかについて気にしています。自分が安定しているときには、周りにも気遣いができるでしょう。しかし、自分が不利な立場になったときや、困っているときに周りの人まで気を配れる余裕を持ち続けるのは難しいかもしれません。人徳がある人なら、どんな状況でも周囲の人のことに気配りができます。
多くの人から好かれている
人徳がある人は、多くの人から好かれる特徴があります。誰に対しても平等に接することができ、思いやり優しさを忘れない人や協調性があって責任感がある人などは、一緒に仕事をしたり過ごしていたりしても居心地がいいですよね。人徳がある人のいいエネルギーが伝わるので、自然と多くの人が集まり人徳者と仲良くしたいと無意識に思うでしょう。友達や知り合いの多い人は、人徳があるのかもしれません。
文句を言わない人柄
文句や悪口を言わない人も人徳がある人でしょう。疲れているときに無理難題を言われたり、不公平な扱いを受けたと感じたりするとつい文句を言いたくなりますよね。しかし、人徳がある人は、ネガティブなことを発言すること自体に意味がないと思っています。どんなときでも不満や文句を口にせず、目の前にあることに一生懸命取り組んでいる姿は、ほかの人にもいい影響を与えるでしょう。
いつもポジティブな表現をする
言葉使いでも徳があるかを判断できます。いつもポジティブな表現をする人も徳がある人といえるでしょう。丁寧な言葉使いはもちろん大切ですが、常に前向きな姿勢が伝わるような表現をする人は周りの雰囲気を自然と明るくします。たとえば「今日は携帯忘れちゃったけど、たまにはスマホの画面見ないで目を休めた方がいいから良かった」「今日残業になってしまったから、せっかくだから気になっていたお店でごはんを食べて帰るのを楽しみに頑張る」などと言われれば、こちらもポジティブな気持ちになります。
人徳の類義語は
人徳の類義語を見ていきましょう。普段から使うこともあるような分かりやすい表現が多いので、類義語を見た方が人徳の意味やニュアンスがよりはっきり分かるかもしれません。
優れた人格者
優れた人格者はそのまま文字通り、人格が優れている人を表します。人格は特に定義はありませんが、人から尊敬される人や誰に対しても平等に接する人、思いやりのある人や、穏やかな人なども人格が優れているといえます。いわゆる「いい人」も人格者といえるでしょう。
器が大きい人
器が大きいという言葉も人徳と同じ意味で使えます。器が大きいとは、些細なことはいちいち気にしない人、またはよほどのことがない限り怒ったりしない人などを表します。器が大きいのほかにも、寛容的な人や寛大な人などの表現も細かいことを気にせず受け入れてくれる人という意味で使えます。
包容力がある
包容力がある人も、人徳がある人と似た意味合いを持っています。包容力とは、人のよいところだけではなく欠点や過ちなどもすべて受け入れる心の広さを表します。器が大きいとも似た意味といえるでしょう。包容力がある人なら、多少のわがままを言っても受け入れてくれそうな気がしますね。
人徳とは本来備わっている品性のこと
人徳とは、その人に本来備わっている素質のことをいいます。天性の気質や能力を指し、性格や言葉使い、態度などに対して使われます。人徳は本来持っているものなので、自分で意識して作り出すことはできません。だからこそ、人もその人の人徳を感じ取れるのかもしれませんね。「それはあなたの人徳だね」「あの人は人徳があるから、いつも人に恵まれる」など、人徳があるといわれるのは最高のほめ言葉。普段の言動を振り返って、自分の中の徳といえるものをもう一度見つめてみましょう。