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お礼の手紙を書くシーンはいろいろ
普段の生活の中でお礼の手紙を書くシーンはいろいろあります。親しい友人や実家の血のつながった父や母などなら、気さくな文章で感謝の気持ちを伝えられますが、仕事上の付き合いの人や、お世話になった方、また妻が夫の代筆で仕事関係の人へお礼の手紙を書く場合は、マナーを踏まえた品のある内容の文章を書く必要があります。最近は連絡の手段はメールやメッセージが中心になっていますが、お礼を伝えたいときには、やはりお礼状を出す方が丁寧といえます。
仕事関係の人へのお礼
ビジネスでお世話になった人に、仕事の最後のときやプロジェクトが終わったときなどにお礼の手紙を書くといいでしょう。お礼の手紙は、お世話になった人の個人名で送るのではなく、会社の課宛でその方の名前を書いておきます。お礼メールでもいいですが、時間があれば直筆でお礼の手紙を書いて送る方が相手の心に響きます。
親戚にお世話になったとき
親戚にお世話になったときも、お礼の手紙を出した方がいいでしょう。親戚同士で頻繁に行き来している間柄ならお礼メールでも構いませんが、普段はあまり付き合いがない親戚に助けてもらったときは、お礼状を出してください。自分の住んでいる土地の特産品などを一緒に送るのもいいですね。今後も親戚とは関わりがあるので、礼儀を尽くしておく方がいい関係を保てるでしょう。
手術してもらった病院の先生や看護師さん
入院して手術を受けたり治療してもらったりしてから退院するときに、お世話になった主治医や看護師さんなどにお礼の手紙を渡しましょう。入院中は体が弱っているだけでなく、精神的にも気弱になったり不安定になったりすることもあります。医師をはじめ、看護師やスタッフなどが献身的にサポートしてくれたおかげで無事退院できるのですから、患者として感謝の気持ちを表したいですね。
仕事でお世話になった取引先
転職するときや退職するときには、同じ会社の人に挨拶をするだけでなく直接挨拶ができなくてもお世話になった取引先にもお礼の手紙と退職する旨を伝えましょう。今後、取引先とは接点がなくなる場合でも、今までの取引や付き合いに対して感謝の気持ちを伝えましょう。取引先へのお礼の手紙は、退職する1週間くらい前には送るよう準備してください。
親族などの葬儀に来てくれた人
身内や親族の葬儀に来てくれた人に宛てて、返礼品と共にお礼状を送りましょう。お礼状の印刷などは葬儀社の方で手配してくれますが、文章はなるべく喪主や遺族が考えたものの方が相手に気持ちが伝わります。故人との親交への感謝も一緒に伝わるような文章にしましょう。葬儀の準備は突然必要になるものです。やることはたくさんありますが、ひとつひとつ手配するべきことを葬儀社に相談しながらこなしてください。
お礼の手紙の書き方
お礼の手紙を書くときに、「書き出しはどうすればいいの?」、「マナーを守った文章がわからない」と戸惑う人もいるかもしれません。形式的なお礼の手紙のスタイルはありますが、誰に出すかによって文章は少し変えられます。お礼の手紙の具体的な書き方や気を付けるべきポイントなどをお伝えします。初めてお礼の手紙を書く人は、例文などを参考にするといいでしょう。
時候の文章を入れる
お礼の手紙の最初に時候の文章を入れましょう。お礼の手紙を書く季節の言葉を最初に書き、「貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」などとつなげます。季節の言葉は春ならば陽春の候、夏は盛夏の候、秋は初秋(晩秋)の候、冬は初冬の候などが適しています。時候の挨拶を最初に書いてから、「先日は~」とお世話になったことについて書いてお礼を述べてください。
相手との立場を考える
お礼の手紙の文面は相手との立場を考えて書いてください。仕事上の付き合いの人や目上の人に対しては、かしこまった文章の方が安心です。また友達や子ども同士の親、親戚などの場合は、相手と自分との距離や関係性を考えて、少しくだけた感じの文章でも問題ありません。
現在の相手の状況を推測する
お礼の手紙の最後には、「まだまだ寒い日が続きますがくれぐれもお体ご自愛ください」、「忙しい日々とは思いますが、お体にお気をつけください」など相手の状況を推し量る文章を添えましょう。「取り急ぎお礼を申し上げたく、お便りを差し上げました。」、「未筆ではございますが、ご家族のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。」などと書いてもいいですね。
お礼の手紙の例文
お礼の手紙の例文を紹介します。送る相手との関係を考えながら文面を考えてみてくださいね。
例文①香典をいただいたときのお礼
謹啓 このたびは亡き父(名前)の葬儀に際しまして、ご香典をいただき誠にありがとうございます。生前親しくしていただいた(お礼を送る相手の名前)様のお心遣いと温かいお言葉に、父もきっと喜んでいることと思います。生前賜わりましたご厚意にあらためて深くお礼申し上げます。略儀ながら書中にて失礼いたします。
例文②親戚または義父母へのお礼
お父さま、お母さまへ。暑さもだいぶ落ち着いてきました。その後、お変わりありませんか。先日はご旅行のお土産をいただきありがとうございました。とても美味しくいただきました。ご旅行はいかがでしたか。今度ぜひ、いろいろなお話を聞かせてください。近々、家族みんなでご自宅にお邪魔できればと考えています。季節の変わり目、お体を大切にして過ごしてください。ありがとうございました。
例文③結婚式に参列してくれた人へのお礼
拝啓、朝晩冷え込む日が増えてまいりましたが、その後お変わりなくお元気でお過ごしでしょうか。お忙しい中、私たちの結婚式に出席いただきましてまことにありがとうございました。皆様に祝福していただき、改めて身が引き締まる思いです。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。引っ越しも済ませ、表記の住所で新生活を始めました。よろしければぜひ、一度お越しください。
お礼の手紙は出す相手を考えて
お礼の手紙を送るシーンは、仕事関係、親戚、結婚や葬儀に来てくれた人、子どもを通した付き合いなど日常生活でいろいろあります。堅苦しい文章はどう書いていいかわからないと感じるかもしれませんが、お礼を伝えたい相手を考えて書いてみてください。時候の挨拶などは、季節に合った形式通りのものを使っても問題ありません。感謝の気持ちが相手に伝わるよう心を込めて書いてくださいね。